草花ノート

December

木の実や草の実を集めるこの季節。いつも植物の賢さに感動します。 例えばチカラシバ。ふと気付くと膝から下、みっしりとついていて取ろうとするとベタベタする、しばらくすると自然にほとんど取れている。 ベタベタは種を運ぶためなのですね。 困った雑草ですがすごいなあと思ってしまいます。
種のおもしろさは見たり触ったりすると種の考えが私たちに伝わることです。 花は言ってみれば着飾って、お化粧して、もちろん必然はあるのですが訳まではわからない。 でも種はもう次に生命を伝えるために余分なものはありませんから、特別に勉強しなくても、なるほどとわかるのです。 アカネやナンテンハコベなどの黒いツヤのある実、ヤブミョウガのブルーグレーの実は意外と脆く手でおすとすぐ割れます。 成熟するまでは殻に守ってもらわなくてはいけないけれど堅過ぎると種がでれないし、ちょうどいい感じなのです。 ガガイモの大きめのうりざね形の実は裂けると整然と並んだ種、綿毛になって飛ぶ白い部分もびっしりつまっているのですが、 空気に触れると綿毛がひらいて風に乗って飛んで行くのです。 つぎつぎパラシュートで殻からでて、しばらくして綿毛は離れて種を落とすようになっているのです。
種はある種の言葉を持っているかのように、見ている私たちにも何かを伝えてくれるかのようです。