草花ノート

シナノギとオジギソウ

青森では弘前の街路樹や十和田湖畔の広場にシナノキが多いのに
驚きました。東京ではあまり見かけない木だからです。
空中を飛ぶ翼になっている総苞葉をつけた褐色の実を沢山見かけ
ました。シナノキは科の木、級の木と書く日本固有の落葉高木。
中国原産の菩提樹はもっと実も翼も大きくて色も濃いのです。
私が毎年、小石川で目を皿のようにして探すヘラノキはシナノキ
の実はよりもっと小さくて、これも日本固有種です。
シナノキの翼をそっと持って高く上げて手を離すと翼をくるくる
回して、実が重しとなって上手に着地します。楽しくてきれいな
秋のはじめに毎年必ず探す大好きな実です。
もう一つ楽しい草といえば、うちのベランダで数年ぶりに種がとれ
たオジギソウです。ありふれた草ですが、以外と上手に育てられな
い、梅雨どきなどに枯れてしまうことも多いのです。
今年は酷暑がよかったのかひと苗でもたくさん花を咲かせて種を作
りました。リースの材料にはならないほど小さいけれどまわりのト
  ゲのついたフレームから三つほどの種が熟すとこぼれて、守る種の
なくなった極細のフレームが信じられない可愛らしさ。
植物の形の不思議さをこのごく小さな草から知る思いです。